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オンボードから逃げてDACを3台買った9年の記録

ヒートシンク&rme adi-2 dac fs オーディオ

PCのイヤホンジャックから音が出なくなる。それが3台続いた。

4台目でUSB DACというものを知って、5,130円のものを買った。そこから9年で、179,000円のDACを使っている。

日割りは1.5円と164.4円。100倍以上の差がある。

rme adi-2 dac fs

① 結論

  • PCのオンボード音声のノイズから逃げるために買い始めた。 元々、音を良くしたかったわけではない
  • PC100USBは5,130円・3,323日・日割り1.5円で現役。 今はSwitch用として使っている
  • HP-A3は20,160円・2,887日・日割り7.0円で現役
  • RME ADI-2 DAC fsは179,000円・1,089日・日割り164.4円で現役(2026年8月21日時点)
  • ノイズの原因は特定できていない。 候補が多すぎる
  • そして今のマザーボードでは、イヤホンジャック直でも症状が出ていない

② 筆者の前提

PCのオンボード音声で困った記録

金額は書かない。PC本体の購入記録が残っていないためである。

時期PC起きたこと
1998年ごろ家族共用のWindows 98機壊れなかった
2003年から2005年ごろNEC音が出なくなった。ケース側のジャックから出すことにした
2007年から2008年ごろマウスコンピューターのBTO音が出なくなった。同じくケース側のジャックへ
2012年ごろドスパラのBTO音が出なくなった。同上
2016年以降自作(B450やB550の頃)ホワイトノイズが少し出ていた
現在自作(GIGABYTE X870 AORUS ELITEイヤホンジャック直でも出ていない
現在ノートPCオンボードのまま問題なく使っている

※2016年に自作するまで、映像ケーブルで音を送る経路がなかった。 音の出口はマザーボードの背面か、ケース側のジャックしかない。

症状はいつも似ていた。急に音が出なくなって、ケース側のジャックなら反応する。 ノイズについては、当時のスピーカー由来なのかPC側なのかも分からなかった。PCのジャックが弱いのだと思っていた。

何を聞いているか

環境音、JAZZ、ゲームのサントラ、アニソン、クラシック、J-POP、洋楽。映画やライブ映像も見る。

オーディオの知識は無かった

このブログで扱うオーディオは全部そうである。 耳で確かめられる環境になかったので、webのレビューを読む以外の方法がほぼなかった。

そしてそもそも用語を知らなかった。 DACという言葉を知ったのも、音が出なくなって調べた結果である。


③ 何が分からなかったのか(読み飛ばし可)

この記事には分からないまま終わっている話が3つ出てくる。先に整理しておく。

その1:ノイズの原因は候補が多すぎる

現在の環境で思い当たるものを並べると、こうなる。

  • ケース内の電源
  • グラフィックボード
  • バスパワーのUSB機器が背面に大量に付いていること
  • アースを取っていないこと

USB機器をなるべく減らしてみたことはある。効果は分からなかった。

そのとき「じゃあスピーカーの問題では、安物だとホワイトノイズがひどいし」と思ったのが、スピーカーにお金をかけ始めたきっかけになっている。

ゲーム機のほうは、少し切り分けられた。SwitchやPS Vitaのイヤホンジャックから音を取るとノイズが出て、外すと消える。 それぞれUSBから音を取ればなくなる。

その2:規格の世代で説明がつかない

PCのオンボード音声には世代の隔たりがある。古いAC’97と、2004年から置き換わっていったHD Audioである。

自分が壊れたりノイズが乗ったと言っているのは、HD Audio世代のものになる。 一番古いWindows 98の機械は壊れていない。

資料によると、オンボード音声は同じ基板の上に載っているぶん、PCパーツからのノイズが乗りやすいという。CPUやハードディスクの動作に応じて、電源にノイズが重畳するという記述もある。

ただし新しい世代のほうが壊れているので、世代では説明がつかない。

その3:当時は差が分からなかった

これは④で書く。

接続方式とPCとのつながり

あとで出てくるので、ここに置いておく。

接続PCとの電気的なつながり
マザーボードのアナログ出力同じ基板の上
USBバスパワーのDACPCから給電されている。つながったまま
光デジタル光で伝送するので、電気的につながらない
セルフパワーのDAC給電がPCから独立

これは方式の性質であって、「だからノイズが消えた」という話ではない。 自分の環境で何が効いたかは切り分けられていない。


④ 実録

FOSTEX PC100USB(5,130円・2017年7月)

音楽を聞いていないときにノイズが出ていることに気づいた。またジャックの問題かと思って、今度はケース側に繋いでも解決しなかった。

壊れたのだと決めつけた。

そして「今どきなら音声もUSBから取れるんじゃないか、USBのmp3プレイヤーとかあるし」と思って調べたら、USB DACというものがあることを知った。

そこそこの値段で評価が良く、ノイズの問題が指摘されていないものを狙って買った。5,130円。

良かったのは、イヤホンジャックから音を出さなくて良いこと。 当時の自分は、これでノイズとの付き合いが終わると思っていた。音声調節用のダイヤルも便利だった。

不満は1点。本体が軽くて設置が弱く、ケーブルの重さに引っ張られて浮いたり、音量を調節するときに少しズレたりした。

音そのものは、あまり変わったように思えなかった。 ノイズが消えただけである。

PC100USB

ハイレゾという言葉を知る

買ったあとで、ハイレゾに興味が出た。存在自体は知っていたが、それまで気にしていなかった。

Windowsの設定をいじろうとしたときに気づいた。指定したいビット数が出せない。

PC100USBの公式仕様を見ると、対応サンプリング周波数は32kHz・44.1kHz・48kHz、ビット長は16ビットである。ハイレゾは一般に24bit/96kHz以上を指すので、対応していない。

なお、同じシリーズにPC100USB-HRというハイレゾ対応機がある。 24bit/96kHz対応で、後継のHR2は2016年2月下旬発売、標準価格9,800円+税。自分が買ったのは2017年7月なので、1年半前から売られていたことになる。

それでも、そちらは検討しなかった。

PC100USBで音の体験があまり変わらなかったので、「ちょっとスペックが上がるくらいでは変わらないのでは」と思ったからである。

FOSTEX HP-A3(20,160円・2018年9月)

同じFOSTEXの上位機を選んだ。レビュー記事を見て良さそうだと思った。20,160円。PC100USBの3.93倍である。

このとき、ヘッドホンアンプ機能のことはよく分かっていなかった。 「ヘッドホンが挿せるんだ」くらいの理解だった。

HP-A3を調べているときにFOSTEX PM0.3というスピーカーの存在を知って、どうせならとスピーカーも更新した。 購入記録が残っていないので金額は出せない。

結果として、音は少し良くなった。

「音がくっきりしたかな、ホワイトノイズもないし」

これがそのときの感想である。それまでがマザーボード直挿し+安いスピーカーだったので、比較としては条件が違いすぎる。DACが効いたのかスピーカーが効いたのかは分からない。

そして正直に書くと、当時は組み合わせを変えても差がよく理解できなかった。 DACに繋ぐスピーカーやヘッドホンを替えても、何が変わったのか読み取れなかった。

不満は入力切り替えである。ボタンの押す押さないで切り替わるので、今どちらなのかがぱっと見で分かりにくい。

Fostex HP-A3

光デジタルを試したのは、5年後

そのあと長いこと、HP-A3のままだった。

光デジタルを試したのは1年か2年前である。きっかけはノイズではなく、入力の数だった。

当時はメインPCもサブPCも同じモニターに繋いでいて、MSP3Aというスピーカーからサブの音も出したかった。 マザーボード側に出力がなく、USBは埋まっている。それで光を試した。

そして、光だとノイズがほとんど乗らないことに気づいた。

それまで試さなかった理由ははっきりしている。マザーボードから出すなら絶対にノイズが乗ると思っていたからである。 PC100USBで解決していたので、確かめる必要も感じていなかった。

9年間、試していない選択肢がそこにあった。

なお当時のサブPCもWindowsでRyzenだったので、結果的にUSBと光を近い条件で比べる形になっていた。 意図したわけではない。usbとの音質の違いは認識できなかった。

現在はサブPCが別のモニターに移り、HP-A3のUSBはメインで埋まっているので、サブは光で繋いでいる。 サブに光出力がないので、FX-AUDIOのFX-D03Jという変換機(3,430円)を挟んでいる。接続は良好で、トラブルは今のところない。

RME ADI-2 DAC fs(179,000円・2023年8月)

HD650を使っていて、HP-A3側の出力が弱いのではないかと感じた。音量が小さいような、音が遠いような感じ。 仕様上は足りているはずなのに、そう感じた。ここも分からないままである。

長らく不満のなかったHP-A3から移り、そして高額品に興味があった。

「音の再現性」「原音に忠実」といった言葉で検索して行き着いたのがRME ADI-2 DAC fsだった。179,000円。HP-A3の8.88倍である。

金額には面食らった。

そのとき自分を納得させた理屈がこれである。同じ年の1月にRTX 4070 Tiを169,800円で買っている。動画やゲームにそれだけかけたなら、音にも同じくらいかけたほうがいいのではないか。

我ながら意味不明な理屈だと思う。 ただそのくらい、HD650で音にお金をかけると変わることを実感していたのだと思う。

選んだ理由はほかにもあった。当時HP-A4などFOSTEXの上位機は新品で売られていなかった。 そして余計なノイズが気になるタチなので、バスパワーではなくセルフパワーの機種を選んだ。

もう1つ、音楽を聞いていて高音が耳に刺さるのが苦手で、そこも考慮に入れたかった。ただしこれは調べても分からなかった。 ヘッドホンならそういうレビューがあるのだが。

DACチップが途中で変わっている

自分が買ったのは、DACチップにES9028Q2Mを載せた版である。もともとはAKM製のチップが載っていて、途中で変わっている。

性能の違いについては、検討していたときに調べたが分からなかった。 メーカーは機能やパフォーマンスの近しいものを選んだとしている。自分は片方しか持っていないので、比べようがない。

ひとつだけ確かなのは、選べるフィルターの種類が変わっていることである。 後述するBrickwallというフィルターは、こちらの版にしか無い。

結果

大当たりだった。

設置が終わってから、作業用BGMにしているゲームのサントラやJAZZをひたすら聞いた。HD650から聞こえる音が段違いによくて、声や楽器の音が今までより混ざらずにはっきり聞き取れる。 何度も聞いた曲に違いがあって、それが楽しかった。

スピーカーからの音も結構変わった。映画を見ていて、金属音や爆発音の質感がよくなった。

リモコンが付いていて、出力と入力の切り替えが手元でできる。 本体をある程度離しても利便性が落ちない。

イコライザーやフィルターなど設定項目が非常に多い。全く使いこなせていない。

使っているのは1つだけで、DAフィルターをBrickwallにして聞くのが一番気に入っている。 その他は音量以外は基本デフォルトのままである。

買って5日後にヒートシンクを買っている

気になる点が1つある。長時間使用で本体が少し熱くなる。

筐体が金属なので熱の放散は問題ないと思うが、高級品であるし、気に入っているので長く使いたい。心配になった。

そこからヒートシンクを買っている。3回に分けて。

購入金額本体購入から
2023年9月オーディオファン ヒートシンク1,499円5日後
2023年9月uxcell 熱伝導シート880円5日後
2023年9月アイネックス HM-23964円8日後
2024年7月オーディオファン ヒートシンク1,499円314日後

合計4,842円。

3回に分けた理由は単純である。測定機がないので、どのくらい必要か判断できなかった。 そして仕様上の大きさでは大丈夫でも、本当に載せられるかが分からなかった。

買って確かめるしかなかった。

アイネックスのHM-23は隙間埋めのつもりで買ったもので、今はルーターの上に載っている。

rme adi-2 dac fs&ヒートシンク

8年目のHP-A3に手を入れた

2025年の9月、HP-A3のオペアンプを交換した。OPA627AUの2回路DIP化基板、3,440円。 元から載っていたのはOPA2134PAだった。

感想は正直に書く。音の解像度が少し上がったような、変わってないような。

そのままOPA627AUを使っている。交換前より少し良い気がするので。

今のマザーボードでは症状が出ていない

現在のマザーボードでは、イヤホンジャック直でもノイズが出ていない。

マザーボードを交換するたびに試してはいる。前のB550のときは少しホワイトノイズがあった。その時々で違う。

オンボードと聞き比べてみた

この記事を書くにあたって、今のマザーボード(GIGABYTE X870 AORUS ELITE)のイヤホンジャックとHP-A3を聞き比べてみた。 RME DACは別として。

結果、HP-A3と比べてもそこまで悪いわけではなかった。 聞き比べている間、ホワイトノイズも出なかった。

違いはあった。オンボードのほうが若干明るめに聞こえる。 ただしこれが良い悪いなのかは分からない。RME DACの原音寄りな鳴り方に慣れたせいかもしれない。

ちゃんとした比較ではない。 音量も揃えていないし、順番も決めていないし、どちらを聞いているか分かった状態で聞いている。

それでも、2018年に20,160円払って手に入れたものが、今はマザーボードに載っているかもしれない、という感触はあった。

※マザーボードのグレードによって載っているチップは違うらしい。この結果が他の環境で同じになるとは限らない。


⑤ 日割り査定

日割り = 購入価格 ÷ 保有日数

3台とも手放していないので、リセールは引かない。

DAC3台

購入価格保有日数日割り状態
FOSTEX PC100USB5,130円(2017/7/16)3,323日1.5円現役(Switch用)
FOSTEX HP-A320,160円(2018/9/25)2,887日7.0円現役
RME ADI-2 DAC fs179,000円(2023/8/28)1,089日164.4円現役

※2026年8月21日時点。判明分の合計204,290円。

RME DACの164.4円は、現時点で確認できている中では当ブログで最も高い日割りになる。 前回のTH616(149.8円)を上回った。

そしてPC100USBの1.5円との差は100倍以上ある。

乗り換えの倍率

区間期間倍率
PC100USB → HP-A3436日3.93倍
HP-A3 → RME DAC1,798日8.88倍
通算2,234日34.89倍

前回のヘッドホンは1段あたり2.7倍前後だった。 DACは踏み込みが大きい。

そして2段目までに4.9年かかっている。 長く使ったぶん、次に大きく踏んだ形になる。

周辺の出費

対象金額
RME DACヒートシンク3回+熱伝導シート4,842円
HP-A3OPA627AU オペアンプ基板3,440円
HP-A3FX-AUDIO FX-D03J(USB→光変換)3,430円

周辺込みの合計は216,002円。

日割りに入れるとこうなる。

本体のみ周辺込み
RME DAC164.4円168.8円
HP-A37.0円9.4円

HP-A3は周辺が本体の34%に達している。 8年目に6,870円かけていることになる。

出力の切り替えにはDOIO KB16というマクロキーボードを使っている。 キーを押すとWindows標準の出力切替が開く。


⑥ 今回の見立て

見立て① 買った理由の根拠は、思っていたほど強くなかった

「何度買ってもオンボードがだめになる」と思って外付けにした。

でも数えると、壊れたのは3台。 一番古いWindows 98の機械は壊れていないし、今使っているノートPCもオンボードのまま問題なく使えている。

そして今のメインPCでも症状が出ていない。

買った理由は事実である。ただしその根拠は、自分が思っていたほど強くなかった。 そのうえで9年かけて179,000円まで来ている。

そして今は、オンボードでも困らないかもしれない。

見立て② 一度うまくいくと、次を確かめなくなる

光デジタルを試したのは9年目だった。

理由は「マザーボードから出すなら絶対にノイズが乗る」という思い込みだが、それを支えていたのは、PC100USBで解決していたことである。

うまくいった対処があると、別の方法を確かめる理由がなくなる。

そして思い込みが崩れたきっかけは、ノイズとは無関係だった。入力を増やしたくて試したら、たまたま分かっただけである。

ただし「光なら機材が要らなかった」ではない。 光で出しても受け側にDACは要る。安く済んだという話にはならない。

見立て③ 差が分かるまでに5年かかった

感想を並べるとはっきりする。

時期できごとそのときの感想
2017年PC100USB音自体は変わらなかった。ノイズが消えただけ
2018年HP-A3+PM0.3音がくっきりしたかな、くらい。組み合わせを変えても差が読めなかった
2023年前半ヘッドホンを2台試すようやく変わるな、と思えた
2023年8月RME DAC感動するくらい違うじゃん

5年かけて、差が分かるようになっていった。 そして分かるようになった直後に、179,000円を払っている。

日割りは機材の値段を日数で割る。使う側が変わったことは、分子にも分母にも入らない。

こんな人は

あなたの環境が向いているもの
オンボードでノイズや音切れが出ているまず光デジタル出力があるか見る。 受け側は必要だが、選択肢が1つ増える
USB機器を背面に大量に挿している給電の負荷を疑ってみる。自分はここが一因だと思っている
ハイレゾ目当てで機材を探している対応ビット長を先に見る。 同じシリーズでも対応と非対応が並んでいることがある
高いDACを検討している差が分かるかどうかを先に確かめたほうがいい。 自分は5年かかった

▼ FX-AUDIO FX-D03J(USB→光デジタル変換)

※この記事に出てくる3台のDACは、生産完了・販売元が確認できないなどの理由でリンクを貼っていない。 PC100USBは生産完了で、現行はハイレゾ対応のHRシリーズになっている

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⑦ 補足

関連記事

ヘッドホンの話は前回書いた。RME DACを買う起点になったHD650は、そこで査定している。

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