テンキーを3台買った。合計43,120円。今使っているのは1台だけである。
1台目は指に合わず、2台目は重すぎて手放した。3台目でようやく落ち着いた。
ただしこの記事の要点は、どれが良かったかではない。最初に欲しかったものが、1台目を買った6日後に発売されていたという話である。

① 結論:3台買って、残ったのは1台
- 3台合計43,120円。1台売却して13,230円を回収し、実質29,890円
- 1台目の613日で割ると、テンキーという機能に1日48.8円払っている計算になる
- 最初から3台目を買えていれば、1日21.7円で済んでいた
- ただし当時それは不可能だった。3台目は、1台目を買った6日後に発売された製品である
- そして日割りを並べると、合わなかった2台のほうが、満足している1台より安い
最後のひとつが、当ブログの計算方法そのものに関わる話になる。
| 台 | 製品 | 購入日 | 価格 |
|---|---|---|---|
| 1 | FILCO Majestouch TenKeyPad 2 Professional 茶軸 | 2024/11/27 | 6,930円 |
| 2 | Keychron Q0 Max | 2024/12/6 | 24,970円 |
| 3 | REALFORCE RT1 テンキーボード | 2025/11/28 | 11,220円 |
② 筆者の前提:テンキーレスに移った日に、テンキーを買った
2024年11月27日、REALFORCE GX1を買った。これが初めてのテンキーレスキーボードだった。それまではずっとフルサイズを使っていた。
同じ日に、テンキーを別途買っている。
理由は2つある。テンキーレスにして支障が出たときの保険と、ノートPCでの作業用である。実際、Excelなど数字を触る時間が長いと、テンキーの必要性は明確にある。
そして独立したテンキーには、フルサイズにはない利点があった。キーボードと離してレイアウトを組める。右にも左にも置ける。この自由度は、フルサイズに戻る気をなくすには十分だった。
問題は、どれを買うかだった。
③ 15年間、REALFORCEのテンキーは新型が出なかった
GX1に合わせるなら、同じ静電容量無接点方式のテンキーが欲しい。そう考えて探した。
見つからなかった。
REALFORCEのテンキーは2009年に23U/UBが発売されて以降、新型が出ていなかった。GX1と揃えるつもりだったので、探す対象はREALFORCEに絞っていた。他社の静電容量無接点方式まで広げれば選択肢はあったかもしれないが、そこは調べていない。
流通在庫は残っていたようで、販売ページが現れたり消えたりしていた。当時「売り切れ」だと思っていたのは、おそらくこの在庫の増減である。生産が終わった製品の、再入荷を待っていたことになる。
そこで妥協して選んだのが、FILCOのMajestouch TenKeyPad 2 Professionalである。赤軸と茶軸があり、茶軸を選んだ。触ったことがなかったからで、それ以上の理由はない。
2024年11月27日。6,930円。
④ 実録:1年で3台
TenKeyPad 2の茶軸が指に合わなかった
単純に手首の負担が大きかった。10分ほど使っただけで手首がだるくなる。GX1の打鍵感に感動していた直後だったので、余計に辛かった。
赤軸を選んでいれば、まだ使っていたかもしれない。それは今も思う。
物としての出来に不満はない。軸の選択を外しただけである。
6日後に、探していたものが発売されていた
2024年12月3日、REALFORCE RT1 テンキーボードが発売された。2009年の23Uの後継機で、15年ぶりの新型である。実勢価格は13,200円前後だった。
FILCOを買った、6日後だった。
当時これを知らなかった。公式のニュースリリースは発売日と同じ12月3日付で、11月27日の時点では公開されている情報が存在しなかった。調べようがない。
そして12月6日、Keychron Q0 Maxを買った。24,970円。RT1の発売から3日後である。
このときも知らなかった。ただしこの3日間には、主要なPC媒体がRT1を記事にしている。11月27日とは状況が違う。
Q0 Maxは重すぎて動かせなかった
Q0 Maxを選んだ理由は、テンキーそのものではなかった。左手デバイスとして採用したかった。2021年に自作キットを買って一度試していて、そのときは固定して使うと動いてしまって諦めていた。カスタマイズの自由度が高そうで、しかも茶軸が合わなかった直後である。ホットスワップでスイッチを変えられる点も大きかった。
期待した部分は、実際に良かった。マクロもキーの割り当ても自由度が高い。ダイヤルが付いていて、ミュートや音量調整に使える。ここは今でも良い製品だと思う。
破綻したのは重さだった。
本体が想像より重い。 購入当初、置き場所を変えて試すのが大変だった。机をこえて動かすのはつらい。テンキーと左手デバイスを兼ねる構想だったので、右へ左へ動かす前提だった。そこが成立しなかった。
もうひとつ、2.4GHzとBluetoothで複数デバイスに繋いで使うつもりだったが、スリープからの復帰時に数字の入力がこぼれることがあった。数字を入れる道具としては、これは効く。
そして根本的な問題があった。テンキーを左手で押すことに適応できなかった。数字を入力する目的なら、GX1で打つのと同じ速度にしかならない。かといって右に置き直すには重い。
テンキーと左手デバイスは、別で欲しい。 そう結論した。
左手デバイスとしての役目はKB16へ移した。Q0 Maxは2026年2月10日に売却した。13,230円だった。
RT1はUSBケーブルが外せない
2025年11月28日、REALFORCE RT1を買った。11,220円。発売から360日後である。
理由は最初と変わっていない。茶軸が合わなかったことと、GX1と同じメーカーで揃えたかったこと。1年前に探して見つからなかったものが、そこにあった。
Q0 Maxが合わないと分かり、静電容量無接点方式のテンキーを探していて見つけた。やっと同じキースイッチで揃えられると思って飛びついた。
そして今回、この記事を書くために購入日を調べていて驚いた。RT1は、発売から2年も経っていない。
自分はずっと、この製品の再入荷を2年以上待っているつもりでいた。
使ってみて良かったのは、BSキーとFnキーが地味に便利な点である。テンキーに付いていると、数字を打っている手を動かさずに直せる。
不満もある。本体からUSBケーブルが外せない。それと、キーの押し心地とキーキャップの手触りがGX1と違う。RT1シリーズなので当然ではあるのだが、GX1のほうが好き。
もうひとつ、プラスチック筐体なのでGX1と並べると見劣りする。機能面の不満ではない。軽いというメリットの裏返しでもある。
GX1のテンキーが出たら買い替えて揃えたい。ただ、出なさそうだと思っている。それまでは使い続ける。
不満を並べたが、それでも今これを選ぶ。15年ぶりに出た静電容量無接点方式のテンキーは、現状これしかない。GX1と完全に同じ打鍵感にはならないが、別の方式から選び直すよりはるかに近い。3台目にして、ようやく用途に合った。

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⑤ 日割り査定
| 台 | 価格 | 保有日数 | 日割り | 現状 |
|---|---|---|---|---|
| FILCO TenKeyPad 2 | 6,930円 | 613日 | 11.3円 | 売却予定(未売却) |
| Keychron Q0 Max | 24,970円 | 431日 | 27.2円 | 売却済み(13,230円) |
| REALFORCE RT1 | 11,220円 | 247日 | 45.4円 | 使用中 |
Q0 Maxの27.2円は、24,970円から売却額13,230円を引いた実質11,740円で計算している。額面のままなら57.9円になる。
この表は、満足度を一切測っていない
指に合わず持て余しているFILCOが、一番安い。
重すぎて手放したQ0 Maxが、現役のRT1より安い。
満足して使っているRT1が、一番高い。
理由は単純で、保有日数の影響が強いからである。合わなかったものを捨てずに持っていれば、日割りは勝手に下がっていく。良い買い物だったからではない。
そして使用実態も測っていない
FILCOを主力として使ったのは、最初の約2ヶ月である。Q0 Maxを買ってからしばらくは併用していたが、その後はノートPCでたまに使う程度になった。頻度も時間も、記録が残っていない。
613日のうち、この機材が実際に働いていた期間はごく一部でしかない。
11.3円は「使った日」で割った数字ではない。「持っていた日」で割った数字である。
当ブログは日割りで買い物を査定しているが、この数字が測っているのは「元を取ったかどうか」だけである。合っていたかどうかも、使ったかどうかも測らない。ここは分けて見る必要がある。
3台まとめての査定
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 3台の合計 | 43,120円 |
| Q0 Maxの売却で回収 | −13,230円 |
| 実質 | 29,890円 |
1台目を買った2024年11月27日から今日まで613日。テンキーという機能に、1日あたり48.8円払っている。
6日後に買えていたら
RT1は2024年12月3日発売、実勢価格13,200円前後だった。仮に発売日に買えていたとして計算する。
| 計算 | 日割り | |
|---|---|---|
| 実際 | 29,890円 ÷ 613日 | 48.8円/日 |
| 発売日にRT1を買えていたら | 13,200円 ÷ 607日 | 21.7円/日 |
| 差 | 27.0円/日 |
1日27円が、6日のすれ違いで発生している。
なお実際に買った11,220円は、発売時の実勢価格より2,000円ほど安い。1年待ったぶん、本体は安く買えている。
⑥ 今回の見立て
見立て①:日割りが低いことは、良い買い物の証明ではない
これは当ブログの計算方法そのものへの見立てになる。
FILCOは11.3円で、当ブログで査定したどの買い物より安い部類に入る。だが指に合わず、主力で使ったのは2ヶ月ほどで、売却予定である。安いのは、613日間ずっと持っていたからにすぎない。
日割りは「捨てなかった時間」に比例して下がる。 使ったかどうかは見ていない。極端に言えば、買って一度も使わずに10年しまっておけば、日割りは限りなくゼロに近づく。
だから今後、この数字を見るときは2つに分けて考える。元を取ったか(日割り)と、合っていたか(評価)は別である。 これまでの記事でも、実はその2つを分けて書いてきた。今回それが数字として表に出た。
見立て②:避けられたのは、3台のうち1台だけ
FILCOの購入は避けようがなかった。
2024年11月27日の時点で、RT1に関する公開情報は存在しない。公式リリースは12月3日付である。15年前に終売した製品を探して見つからず、代わりを買った。
避けられたのはQ0 Maxである。
12月6日、RT1は発売から3日が経っていた。主要なPC媒体が記事にしていた。調べれば届く場所に情報があった。
しかも、これが3台のうち一番高い買い物だった。24,970円。売却で13,230円を回収してなお、11,740円が残る。
ただし擁護もできる。当時の関心は左手デバイスにあった。テンキーを探していたわけではなく、マクロとダイヤルとホットスワップに向かっていた。RT1を知っていても選ばなかった可能性はある。
それでも、知っていれば待つか、両方買って比べて片方を売っていたと思う。少なくとも選ぶ機会はあった。その機会だけがなかった。
| あなたが… | 判断 |
|---|---|
| REALFORCEのテンキーを探している | RT1がある。2009年の23U以来15年ぶりの新型。ただしGX1とは打鍵感もキーキャップの手触りも違う |
| フルサイズからテンキーレスに移る | 独立テンキーは置き場所の自由が効く。左右どちらにも置ける |
| テンキーと左手デバイスを兼ねたい | 重い機種では成立しない。動かす前提なら重量を先に見る |
| 軸を選べる製品で迷っている | 触ったことのない軸を選ばない。6,930円がそれで止まった |
⑦ 補足:この記事に対決はない
テンキーを3台比較した記事に見えるかもしれないが、比較して選んだものは1つもない。
1台目は探していたものが存在しなかったから買った。2台目は発売を知らなかったから買った。3台目でようやく、最初に欲しかったものを買った。
3台で43,120円動いたが、そのうち性能を比べて決めた金額はゼロである。
左手デバイスとしての役目は現在KB16が担っている。この件は別で書く。RT1はUSB切替器を経由して複数のPCで共有しているので、テンキーとしては1台で足りている。FILCOはそれで持て余している。売る予定である。


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