USB切替器を2台買った。2台とも今も使っている。
買った目的は、キーボードとテンキーを2台のPCで使い回すこと。これは1台目を挿した日から達成できている。ボタンひとつで、2つのデバイスの接続先が別のPCへ移る。
使用を継続するうち、どこまで自分の環境を便利にできるのかが気になって、USB DAC、USBメモリ、外付け化SSDと、いろいろ乗せてみた。
その過程でノイズとUSBメモリの認識ずれに当たり、解決を狙って2台目を買い、それでも解決しなかった。
合計5,758円。目的は達成していて、その後色々試した話。
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① 結論:切替器は何でも乗るわけではない
先に結論だけ書く。
- キーボード・マウス・テンキーの共有は、期待どおり動く。ワンタッチでもたつきを感じず切り替わる
- USB DACのノイズは、給電方式を替えても消えなかった。バスパワーからセルフパワーへ移っても同じ
- 機器によっては認識されない(自分の環境ではDOIO KB16)
- 音については、切替器を経由させない構成にして解決した
つまり、切替器に何を通すかで評価が変わる。入力機器なら合格、オーディオはノイズが乗る。
今回の2台はこうなった。
| 製品 | 購入 | 購入価格 | 価格(Amazon・2026年7月25日時点) | 給電 | 現在の扱い |
|---|---|---|---|---|---|
| UGREEN 2入力2出力 | 2025/01/06 | 2,079円 | 2,399円 | バスパワー | データ共有で使用中 |
| UGREEN 2入力4出力 | 2025/11/30 | 3,679円 | 4,799円 | セルフパワー | 機器共有で使用中 |
どちらもセール価格で買っている。現在価格はどちらも上がっている。
② 筆者の前提(なぜ切替器が必要だったのか)
メインPCとサブPC(およびノートPC)を並べて使っている。
「キーボード、テンキー」を2台で使い回したい。挿し替えのたびに背面へ手を伸ばしたり、別のキーボードを出すのが面倒だった。手元で切り替えたいと考え、USB切替器を購入した。
満足していたのだが、他の機器も共有できるのではないかと考えて色々試すことにした。4Kモニタのそばに置いてあるUSB DAC、データを行き来させたいUSBメモリ、外付け化したSSD。切替器の出力に挿すだけで2台から使えるなら、机の上はもっと楽になるからである。
③ USB切替器とは何か
USB切替器は、複数のUSB機器を共有するためのデバイス。ボタンで接続先を切り替えると、つないだキーボードやマウスが別のPCに認識され直す。
給電方式で2種類ある。
- バスパワー:PCのUSBポートから電力をもらう。ACアダプタ不要
- セルフパワー:ACアダプタから電力をとる。接続機器が多い場合に安定しやすいとされる
もう1つ、今回の話に効いてくる性質がある。自分ははじめUSBの延長コードのように捉えていたが、1台のPCから見れば、切替器は実質USBハブだということ。ハブで起きる問題は、切替器でも起きる。
④ 実録:2台の査定
UGREEN 2入力2出力(2025/1・バスパワー・2,079円)
最初に買ったのがこれ。セール価格2,079円(Amazon・2026年7月25日時点で2,399円)。
切り替えがワンタッチで速い。ボディにボタンがついていて、押すとキーボードとテンキーの接続先が切り替わる。目的はこの時点で達成できていて、ここは今も評価している。
次は試しにUSB DACをつないでみた。4Kモニタのそばにあるこの機械に2台のPCの音をまとめ、光入力でゲーム機もつなげば、スピーカー1組で3台分の音声をまかなえると考えたからである。
つないだところ、切り替え時にUSB DACにノイズが乗った。
USBメモリも試した。2台の間でデータを行き来させるのに便利だと思ったが、たまに切り替え時に認識されなくなる。結局は挿し直しになる。
ノイズの原因を、USB 3.0まわりの問題ではないかと考えた。切替器は1台のPCにとって実質USBハブなので、ハブ由来のノイズを疑ったわけである。調べてみると、USB 3.0機器のノイズは、USB 2.0のケーブルやポートに変えると治まる場合があるらしい。
そこで手持ちの余っていたUSB 2.0ケーブルに交換し(型番も価格も不明なもの)、挿すポートもUSB 2.0に変えてみた。しかし結果は変わらなかった。
(この時点で疑っていたものが、そもそも見当違いだったことに後から気づく。詳しくは⑧に書いた)
1度疑い始めると他も気になる。ケーブルやポート以外に原因があるとすれば、切り替えでオンオフが入れ替わる瞬間に電力供給が足りなくなり、それがノイズになっているのではないか。
そこでバスパワーではなく、セルフパワーならうまくいくのではと考えて2台目を購入した。
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UGREEN 2入力4出力(2025/11/30・セルフパワー・3,679円)
セール価格3,679円(Amazon・2026年7月25日時点で4,799円)。入力はUSB-Cが2つ、出力は4つ。手元に置ける切替ボタンが付属し、本体側のボタンと両方使える。
肝心のノイズは消えなかった。給電の問題ではなかったということになる。
この検証の途中で、もう1つ分かったことがある。機器によっては認識されない。手元のDOIO KB16をつないでみたところ、この切替器経由では認識しなかった。
出力が4つあるおかげで、つなぐ機器を厳選しなくていいのは助かっている。ただ、できればキーボード類をここにまとめたかったので、これは少し残念だった。
音の共有は諦めたが、切替器は挿し直しの手間を減らすには非常に有用。「マウス、キーボード、テンキー、外付け化SSD」。この4つを常時接続し、ノートPCとメインPCで切り替えて使う構成に落ち着いた。
手元に持ってこられる切替スイッチも良い。これがあるおかげで、本体を見えない場所に置いても操作できる。
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この切替器はノイズ解決のために買ったが、結果として接続機器の収容力で元を取っている。
⑤ 現在の運用:音だけ切替器から外した
ケーブルを替えて、ポートを替えて、給電方式まで替えて、ノイズは消えなかった。現在はこうなっている。
- メインPCとサブPC:それぞれUSB入力と光入力に分ける(切替器を経由させない)
- ゲーム機:別のスピーカーへ
- USB切替器:マウス、キーボード、テンキー、外付け化SSDの共有に専念
切替器は悪くなく、切替器に音まで通そうとしたのが良くなかった、というだけの話である。
判断ミスだった。ノイズの原因を自分から作っているようなものである。

⑥ 日割り査定
| 製品 | 購入価格 | 使用開始 | 経過日数 | 日割り |
|---|---|---|---|---|
| UGREEN 2入力2出力 | 2,079円 | 2025/1/6 | 565日 | 約3.7円/日 |
| UGREEN 2入力4出力 | 3,679円 | 2025/11/30 | 237日 | 約15.5円/日 |
| 合計 | 5,758円 | – | – | – |
2台目がまだ15.5円/日と高いのは、単に日が浅いからである。このまま使い続ければ下がる。1年で約10円、2年で約5円になる。
1台目の3.7円/日は、役割を変えながら565日動き続けている対価である。
最初の半年はキーボードとテンキーの共有、その後はデータ共有。
つないだ機器は何度も入れ替わったが、切替器そのものは一度も止まっていない。
前回のGPUサポートステイでは、一度も使えなかった2本を授業料として計上した。
今回は、授業料は計上しない。2台とも現役で、主目的を果たしているからである。ノイズが解決しなかったのは、目的を超えて試した範囲の話であって、買い物の失敗とは違うからである。
⑦ 最終判断
| あなたが… | 判断 |
|---|---|
| PC間でキーボード・マウスを共有したい | 素直に効く。ワンタッチの速さは想像以上 |
| つなぐ機器が多い | 出力4つ+手元ボタン付きが快適。ただし価格は倍近い |
| USB DACやオーディオ機器を通したい | 自分の環境では届かなかった。給電方式を替えても解決せず |
| 特殊なキーボードを使っている | 認識されない場合がある(自分の環境ではDOIO KB16) |
| ノイズで悩んでいる | 切替器を買い替える前に、その経路に音を通さない構成を検討する |
USB切替器に求めるものが「入力機器の共有」なら、期待どおり働く。
「音声も含めた統合」まで求めると、自分の場合は届かなかった。
▼ UGREEN USB3.0切替器 2入力4出力
▼ UGREEN USB3.0切替器 2入力2出力
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⑧ 補足:切り分けの順番を間違えた
最後に、今回の反省を1つ。
ノイズの原因を疑った順番は、ケーブル → ポート → 給電方式だった。全部「切替器まわりを改善する」方向の仮説である。最後まで出てこなかったのが、そもそもその経路を使わないという選択肢だった。
改善の仮説ばかり立てていた。前回の記事では採寸を間違えたが、今回は測る前の問題設定の方が間違っていたことになる。
疑う対象そのものもズレていたようだ。後から調べた限りでは、USB 3.0のノイズとしてよく知られているのは、5GHz帯の信号が2.4GHz帯に干渉してBluetoothや無線マウスが不安定になる、という電波の話らしい。USB 2.0のケーブルやポートに変えると治まるというのも、この話の流れで出てくるものだった。
自分が悩んでいたのは、切り替えた瞬間にスピーカーから聞こえるノイズである。同じ「USBのノイズ」でも種類が違う。最初から見当違いのものを疑っていたことになる。
なお、最終的に落ち着いた「USB入力と光入力に分ける」という構成は、電気的に切り離す形になっている。理屈を分かって選んだわけではなく、消去法で残っただけなのだが、結果としてはこれが効いたらしい。
とはいえ、試さなければ「切替器はここまでできて、ここからはできない」も分からなかった。いい勉強にはなったと思う。


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